第30番 慈眼山 玉林寺(ぎょくりんじ) -臨済宗妙心寺派-
  所在地:徳島県吉野川市鴨島町山路107 電話:0883-24-5805
  御本尊:千手観世音菩薩
  御詠歌:もらすなよ たかきいやしき へだてなく
               さしもかしこき のりのちかいを

玉林寺は、平判官康頼(性照法師、東鑑は照性なり)の開基であリます。東鑑六によると、昔日康頼公が尾張国知多郡野間にある、源頼朝の父義朝及家臣の墓が荒廃し居るを見て、修復供養をなしたる恩に感じ、文治二年閏七月二十一日、源頼朝の 命により阿波国麻植郡保司に任ぜらる、と記されています。

鹿ヶ谷の謀り破れ鬼界ヶ島に流罪の際、後白河法皇から、康頼を憐み給い、閻浮檀金の一寸八分の千手観音の尊像を賜りました。

この千手観音を本尊として、現在地南面の山上(堂処)に慈眼山玉林寺と鬼界山補陀洛寺を建立し二ヶ寺を兼務しました。玉林寺の西方三谷の奥六坊に六ヶ寺を建立有徳の僧六名を付し、上は後白河法皇下は亡母俊寛及び治承養和の亡人の冥福を析ったと伝えられています。

天正年間に兵火にあって焼夫し、玉林寺と補陀洛寺を併せて一山とし現在の玉林寺になりました。その後一、二の子院があったけども皆廃絶した。慶長年中亮長と祖越が共に堂宇を建立して曹洞宗としたが、また荒廃し、延宝年間にその弟子光寂宗本が現在の地に中興開山して臨済宗妙心寺としました。その記録は境内に板碑として残っておリます。

寺宝としては県文化財指定釈迦十六善神像絹本着色及び、康頼公愛用と伝えられる茶臼、境内入口に県天然記念物としてモッコク老大木、乂東入口下には康頼公が刃で刻まれたと稱せられる線刻になる洞ヶ滝の不動明王等があリ、境内閑静であリます。

寺よリ北西約七〇〇メートルの処に県指定大然記念物の檀の大楠と、その下に平康頼を祀る康頼小祠があります。乂東三〇〇メートの処には、康頼公が後白河法皇の信仰厚い熊野權現を勧請したと伝えられる熊野神社があります。又この附近はハイキングコースとして、鴨島町オリエンテーリングの中にも加えられています。




■駐車場情報 大型、小型マイクロともに寺の駐車場に

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