第8番 恵日山 普門院 法音寺(ほうおんじ) -高野山真言宗-
  所在地:徳島県板野郡藍住町乙瀬字乾21 電話:088-692-2675
  御本尊:不動明王
  札所観世音:十一面観世音菩薩
  御詠歌:のりのおと きくにりしょうの とくふかし
               だいひのちかい あさからぬてら

当寺は藍住町の北端の閑静な田園の中にあり、阿讃山脈を背に、前方遙かに眉山を眺望する旧吉野川の南ほとりにあります。昨今附近一帯は、急速に宅地造成が進み、人口が急激に増加されています。従って、道路も整備され一変して、田園都市化の容相に日一日と変りつつあります。

当寺本尊不動明王は行基菩薩の作で、応永年間宥快上人が、除災招福の道場として開創されたと伝えられています。当時建立された場所は、現在の地より200メートル程南西寄りであったといわれています。

観音堂には有名な行基菩薩作と伝えられる、御丈一尺八寸の十一面観世音菩薩を安置してあります。かつて弘法大師四国御巡錫の砌、当地に疫病が流行し住民が大変苦しんでいるのをごらんになり、この観世音菩薩に祈願をこめて御修法されたところ、たちどころに疫病退散し、その後、厄除観音、身代り観音としての信仰が広がり、近郷近在はもちろん、遠く讃岐路からも参詣者がつづいたといわれます。

しかし今から二百十数年前の明和二年十月火災にあい、本尊等無事救出することをえて、吉野川の再三の洪水の難を考えて、現在地の如く稍々高台にして、お堂を移転建立したと寺伝に記録されています。

また室戸台風によって、山門・倉庫等倒壊、観音堂も半壊し危ぶまれましたが、本尊観世音菩薩は不思議にも難をまぬがれ、厄除、身代り観音として益々多くの信仰をあつめている。とともに平成二六年十二月には、檀信徒の信火を結集し、念願の本堂が新築建立されました。

尚、当寺には天保十年(一八三九年)作の珍らしい一切聖霊出離生死頓証菩提の為の「土砂加持用の陶製の壺」があります。この壺の外側に、仏頂尊勝陀羅尼などいわゆる三陀羅尼を梵字で刻してあり、蓋には、アビラウンケンと光明真言が梵字で刻してあります。

それに明和九年他多くの棟札が保存されています。





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